野口整体・身体操作研究ブログ

野口整体・身体操作研究ブログにご訪問いただきありがとうございます。 このブログでは日々、野口整体や武術を学び、皆さんのためになる身体の変化の発見を共有、発信しています。

自働運動(活元運動)のすすめ

この記事で解決できるお悩み

  • 野口整体について知りたい方
  • 自働運動(活元運動)に興味がある方
  • 整体を勉強し始めた方

 

こんにちは、樹楽塾です。
このようなお悩みを解決する記事を書きました!

今回は野口整体の学び方についてのご紹介です。

記事の前半では、『自働運動』について解説し、

記事の後半では、『やり方や目的』をご紹介します。

この記事を読み終えることで『自働運動』を理解できるだけでなく、野口整体の世界観の愉しさが感じれるとうれしいです。

体癖について知りたい方は
体癖論
からどうぞ。

  • 目次

      1. 野口整体とは
      2. 自働運動(活元運動)とは
      3. 歴史
      4. 危険性
      5. 目的
      6. やり方
      7. 注意点
      8. 多人数で行う利点

    1. まとめ

1.野口整体とは

 

野口 晴哉氏

(1911年 – 1976年)

催眠療法、指圧、気合法等をまとめ野口整体としました。

整体操法は日本各地に伝承された民間療法や外来の手技療法の効果を検証し、有効な技術だけを選び出し、編集して生まれました。

人間が全力を発揮して生きるための教育(体育)方法が原点になりました。

 

 

 

 

 

自働運動(活元運動)とは

 

 

身体自らが不調を回復する動き、

そのための行法です。

 

弾力のある身体を維持するために身体の自然な動き、

無意識動作を引き出すものです。

 

よく例えに上がります

あくびは頭の緊張を緩めるための自働運動です。

また、せきは椎骨を緩めるための自働運動です。

あくびが出来ない身体は頭が壊れていきますし

咳が出来ない身体は呼吸器が壊れていきます。

 

 

自働運動(活元運動)の歴史

 

活元運動は昭和20年代

野口晴哉先生が提唱しました。

 

野口晴哉先生は若いころ、霊術家の松本道別に学んでおり、神道に由来する霊道法という活元運動と同趣旨の方法がありました。

 

英語ではトランス状態と言われます。

喫煙や飲酒等道具を使い儀式を行ったり

スポーツの世界ではゾーンと呼ばれたり

禅など仏教では瞑想状態と言われたり

行法、至る道筋、目的に多少の差異はあれど、

無意識動作を引き出し、本能を呼び出す事

これらに様々な呼び名があります。

 

明確なカテゴライズがないので

何が似ていて何が違うとかは個人的な独断と偏見でしかないですが

無意識動作の歴史は意識動作よりもはるかに永いのです。

 

岡島瑞徳先生は野口晴哉先生の所で学び

岡島瑞徳先生系列の方々は自働運動と呼んでいました。

整体協会では活元運動と言われています。

 

 

自働運動(活元運動)の危険性

 

当然、無意識動作を優位にする訓練ですので危険性もあります。

 

明確に指摘する人も少なく

逆に活元運動は良い事しかないとかいう方もいますが

やはりその偏りは危険であると感じます。

 

意識を意識的に切るので

無意識から戻れない人が稀にいます

 

簡単に言えば、【頭が狂う事】です。

頭と身体が乖離(実際は統合)してしまいます。

 

体癖でも同じ事を書いていますが

普段抑圧されている人ほど圧縮と解放で激しくなります。

 

そのエネルギーは凄まじく、

無意識を信仰し、意識を完全否定してしまいます。

 

動物的、本能的と言えば間違いではないですが

そのような状態で生きていくのは不可能に近いです。

 

私自身は自働運動で完全に狂った人は観たことないです。

気分が悪くなる方はいますが

動きを止め、休めば日常生活に戻っていきます。

 

ですが、無意識動作と言ったものの

最低限、意識で止めるのが必要です。

 

解放も全て解き放たれた獣のようになるのではなく

扉を一枚ずつ開けていくようなイメージになります。

 

独学が悪いわけではないですが

行き過ぎで頭が狂わない様に

初めは然るべき指導者の下で学ばれるのが賢明だと思います。

 

 

目的

 

身体訓練法としても使えるのですが

やはり健康法としての側面が強いかと思います。

 

自働運動好転反応が良く出ます。

 

偏った疲労は過敏弛緩排泄を通して取れていきます。

 

あくびが例ですが

あくびを丁寧に観察していくと

あくびをしてホッとしたときに

緊張していたところがじわっーと緩みます。

 

また、緊張の度合いが強いと、

あくびをして伸びをした後、

身体が攣ったりします。お腹の中が痛んだりします。

そして最後に緩んだ後、下痢などで排出します。

 

これが好転反応です。

好転反応にはこちらで詳しく説明していますので

のぞいてみてください。

 

 

自働運動(活元運動)のやり方

 

一連の流れとしては

邪気の吐出→腰の強化法→延髄刺激法→自働運動→漏氣法→延髄行氣

となります。

 

①邪気の吐出

無意識になるには頭を休めなくてはいけません。

そのために鳩尾を緩めていきます。

 

・鳩尾に両中指を当て

・鼻から息を吸い込み

・口を大きく開け、身体の内側の邪気を吐くように

 

・前傾しながら吐き出します。

吐き出し

 

・吐ききったらポッと抜き

・腰から起き上がりながら鼻から吸い込みます。

 

これをあくびが出るまで繰り返します。

 

 

②腰の強化法です。

腰が中心で立つことにより

無意識の中でも己を見失わない様にします。

また、動作の動き始めの大部分が腰であり身体の中心ですので

自働運動の動きもスムーズになります。

 

・腰をお臍の裏から、自分の背後を覗き込むように捻ります。

・捻じる側の膝が開くと外に抜けてしまうので膝を内に締めます。

腰の強化

 

・グゥーっと腰に力を集めたらポッと抜きます。

 

 

これを左右交互に行い

捻じりにくい方を1回足した計7回行います。

 

 

③延髄刺激法

無意識の動作を引き出すのに延髄反射を利用します。

動作と呼吸があべこべで刺激が強いため

1日に3回までとされています。

 

・親指で握りこぶしを作り、

・両肘を開き

・軽く奥歯を噛みしめ

・頭を少し後傾すると延髄に力が集まります。

息を吐きながら延髄に力を集めて

 

延髄刺激

 

・ポッと抜きます

 

これを3回行います。

 

自働運動

・手のひらを上向きにして

・頭の中をポカンとし

・内から動き出す動きに身を任せます。

動きが出なかったらそのままポカンとしています。

 

 

⑤漏氣法

自身に気合をかけて無意識から日常に戻ります。

・動きが治まったら

鼻から息を吸い込み

鼻から息を漏らすように「ウーム」で気合をかけて

片目ずつ目を開けます。

 

漏気法

 

心地が良ければそのまま数分ポカンとしていても結構です。

 

⑥延髄行氣法

延髄反射を日常に戻します。

自働運動での動きの変化が現われる時でもあります。

 

・頭頂から息を吸い込むようなつもりになって

吐く息は忘れます。

身体の中の変化が落ち着くまで行っていきます。

 

 

 

ありがとうございました。

 

 

 

 注意点

 

 

・自宅で行う際は一人で行ってください。

ご家族に見られると問題になります。

・明るいところで行ってください。

・延髄刺激法は1日3回までです。

自働運動中、急に眼を開けたり止めないでください。

気分が悪くなったりして途中でやめなくてはいけない時は

鳩尾に指を当て動きが落ち着くまで待ってから日常に戻ります。

・慣れるまでは軽い縛り(座姿で行う等)を設けると比較的安全です。

 

可能であれば初回だけでも講座などで行う事を推奨します。

 

 

多人数で行う利点

 

環境が変わったり

同じことをしている人が周りにいると

自身の動きも変化していきます。

 

また、それだけでなく「氣」(この言葉はあまり使いたくないのですが)

という面でも、同じ思いや行動を行う人が集まると大きな力になります。

 

例を挙げるのならTVだと30人31脚です。

どう考えても1人で走った方が速く楽なはずが

一斉に同じように走るというだけで

地響きから、感動やらが全く違うものになります。

 

そして当事者だけでなく、見ている人まで巻き込み

ただ見ているだけの人が感極まったりします。

 

「氣」は周囲との関係を感じる事でもあります。

このように自働運動も多人数で行う事にも利点があります。

 

もちろん走るのと同じで一人で行う事も重要です。

一人なら一人の繊細さがあります。

 

 

 

まとめ

 

野口整体が難しいのは知識や技術ではなく

個人を相手にしているからです。

 

この奥深い世界に興味を持っていただけたら

ご一緒に学んでいけたらと思います。

 

 

HP

https://kirakujyuku.com/

公式ライン

https://lin.ee/dIr6hCp

  • この記事を書いた人


石渡 弘樹

整体道場 樹楽塾 主宰。研修生生活を経て独立。

「元気があるから生きている」を理念に活動中。

趣味は合気道